POEMS DE TEX.

テキサス昨日とうとう言われちまったよ
水道橋でJ・Rから降りて東京ドームに一礼して地下鉄三田線に乗り換える時に
「ちょっと、すいません、どうやってあなたはバッグの車輪を光らせているのですか」
ってさ！しかも朝だぜ
朝の乗り換えん時なんて乗り換えることしか考えてない時間だろう。テキサスは咄嗟に無視しようと考えた。が、ここは光る車輪を転がす者の受け入れるべき業と考えてそのシャラリーマン風情のオヤジのいくつかの質問にこたえたぜ

テキサスから答をひっぱり出して満足したオヤジは片手をあげ小さな笑みを浮かべながら、テキサスにお礼を言ったんだありがとうってさ

テキサスも小さく片手をあげてそれじゃあ急いでるんですみませんっつって三田線に乗り込むべく、光る車輪を快調に転がし始めた。
三田線、テキサスが向かう先は板橋区役所前駅だ

マコッチャンが待つ板橋区役所前駅だ

マコッチャンは20数年前、マサルより早く補助無し自転車を乗り回していたらしい。20数年後の昨日、マコッチャンは補修の仕事してたぜ。
その二日前、マコッチャンはマコッチャンナイトを催したんだ

マコッチャンナイト楽しかったなあ
来てくれた人達、とにかくどうもありがとう。感謝します

テキサスはなにも考えないで一日楽しんでたぜ
ほんとは考えてたけどな
でもマアでもマアなんも考えないで遊べたぜ

やっぱみんな小岩が好きなんだな。
テキサスとしても、例えばザ・ジェット・ラズ・シネマのライブはタイガイ前のほうに女の子がタクサンいて楽しそうに踊ってるからいつもはテキサス、あ、ハジに行こう、女の子が踊ってんの邪魔しちゃわりいや、あ、あの娘カワイイな。とか思ってんだが小岩だと自然に前に行って、テキサスこう叫んでたぜ

「サンデ！モニン！！」
「サンデ！モニン！！」
「サンデ！モニン！！ブレイバー！！」

と、こんな感じだ

それはともかく、打ち上げまでビッチリ楽しかったぜ
みなさんお疲れっすマコッチャンお疲れっす

††††††††††††††
あの夜、アルコールを持ってきてくれたのはスギとあとタイバンだったザ・ワンダー・ワイルド・ワークス・オン・ザ・ドラムス・カズキでした。あとどなたか持ってきてくれましたでしょうか

どーゆうことでそーなったのか詳しくは覚えてませんが
マコッチャンに乾杯の音頭をとってもらったぜ

とにかく楽しかったな
またやろう

はあ
あー
ふとした拍子に
バンドやってる誰かが言ったり書いたりしてる機会にあたるだろチクショウ
テキサスはジェントルだから言わずモガナで、言いたかないが言うかもぜ

そいつが言うにさ
「最近、ライブやってて楽しいんだよね！」
とか、言ってんじゃねえよバカ

ライブしか楽しかねえだろ
ライブのほかになにがたのしいんだバカ
アクア楽しいぜ

こんチクショウ、明日ライブ、たのしみだなあ

4月に入りました。昨日は錦糸公園ってとこで花見やって桜のバカみてえな圧倒的な凄まじさを思う存分受け止めてきたぜ
ああそれというのもなんということだろうか！
ワタクシの前半生とはいったいなんだったのでありましょうか、恨みつらみ、シガラミは吹き飛んだ！あの娘への未練や執着も消え去った。この圧倒的な桜の前にてテキサスことワタクシは今日このバカみたいに凄いとしか言いようがない桜を見るために29年間、生きていたのではなかろうかと涙した？え、してねえぜ、テキサスは世の中を恨みつらみ慈しみながら畏れ未練と執着をメインに生きていたいもんだぜ。あの娘どころかできればアラユルもんに未練と執着をもって生きて生きたいぜ。あたりまえじゃねえかそんなもんは。太陽ロードは見渡す限り太陽サンサン、空に一点の曇りもないテッカテカの中テキサスは未練と執着でもって地面で人と人の間を這いズリ纏わりてえんだズリ。人と人の間、それが人間ってもんでガショー！チクショー！え、テキサスもう29才なの？なんだそりゃそういや忘れてたけど去年虎ノ門でテキサスは永遠の28才を誓いその旨をポエムス・ダ・テックスに記したんだが無理だこりゃ無理だぜテキサス29才になっちまった
あの時はいけると思ったんだけどなあ難しいなあ
でも、こーゆう言い方はどうだろう
俺は今28才と12ヶ月と3日だってのはどうだろう。どーもこーもないよな
29才になってはじめて耳コピしたベース・ラインは、あいつだれだっけ、あのブロンドが大好きなスーパー・スターのあいつ、あ、ロッド“ザ・モッド”スチュワートだ。なんかエイトビートとマンドリンがかっこいいナントカって曲やってみたんだがその曲は音楽やってない昔から好きな曲だったんだけど改めてこの曲の構成はどーなってんだろうってコピーしてみたら基本的にスリー・コードだったんで驚いたぜ
なんで驚いたかというとですね
昨日昼前の11時ごろから花見してたんだけどね、かなり桜満開だったんだ。で、スゲー咲いてんなあと思ってたら2時くらいから公園内に咲いてた桜が一斉に散り始めたんだ。風もないのに！いや多分風はあったけどな。
桜は午前中を境に一年かけて咲かせた何万、何十万って花びらを落とし始めた
いやあ綺麗だったなあ綺麗だったなあ
散り際は美しいぜ
なんて感傷はいらないぜ
桜は散り際を際立たせようなんかコレッぽっちも思っちゃいないぜ
夏の蝉は地面から飛び出した命が一週間だってなんとも思わない
いいかい、桜や蝉はただ単に生命を真っ当してるだけだぜ、なんて考えるのも人間の傲慢だ

テキサスは、テキサスが、テキサスだけで単に桜や蝉と対峙すんだ
そのあたりに執着し、対峙できなくなった時に未練を感じたい

テキサスは、また誕生日を迎えることができました
これでもって俺は恥ずかしながら明日も引き続き缶ビール片手にフラフラ歩いたり
次の日曜に花見の予定が入ってたり
ライブ見たり、やったりできる

生きてるかぎり時間は流れてんだ
何してたってどんな時だって

だけど誰だっていつか時間は止まるもんなんだな

今、俺の、時間はみんながくれてるような気がするから
とにかくどうもありがとう。
感謝します
いい機会だし、感謝します

みんなの心に安穏を

いやあ気温が上がってきたなあ。気温が上がってきたといやあその昔、テキサスはテントを上げまくる、あるいは下げまくる仕事をしたことがあるぜ。繁忙期になれば毎日毎日テントを上げまくったり、下げまくったりしてたんだぜ
おかげで、テキサス20才くらいの時までは人々に、テキサスの手は白くて細くてキレイな手だねと言われていたものだが、当時を境に肉厚でゴツく、風の谷の姫様に褒めて貰える系の厳つい手になってしまったぜ

日本各地に木を植えようぜみてえな、でかい規模のイベントがあるのをご存知ですか
その名も植樹祭っつーんだけど、植樹祭は国内各地を回っていて何年か前に千葉の木更津の山中でやることになりテキサス達はそのイベントで使われるテントなどをバカスカ上げにいったんだ。泊まりがけの仕事でテキサス達の他にも東京から来た見知らぬ連中と一緒に仕事した。
チーム千葉のテキサス東京在住（複雑）をはじめ千葉の連中は、東京の連中も一目置くような荒クレ感と疾走感と排他的な感じで広い会場内のあっちこっちにテントを上げ、上げたとこに床を作ったり雨樋を取り付けたり机や椅子を入れたりしていた

山中でも平淡な広場みてえなとこにメイン会場は設けられ、そこにでっかい特設ステージがドデンと組まれている。当日になればそこでたくさんのしょーもないセレモニーが行われるだろう
要にステージを置きメイン会場は扇状形に展開されステージを向いている椅子は1000脚をゆうに数えキレイに並べられ、なんか綺麗っぽい花が咲いたタクサンのプランターがそこかしこに整然と並べられたりしてメイン会場の準備は着々と進行してたんだ
テキサス達はメイン広場の端々に当日立ち並ぶ飲食の出店用のテントや会場案内などインフォメーション用のテント、ステージの音響を面倒みるPAテントや運営事務局のテントなどをパカパカと上げたりしてた。そこらへんが片付けばステージ裏側にまわり一般客からは見えないとこに本番でステージに立つ出演者の控室テントやら機材用テントやらを立てたあとヒトキワ綺麗なテントを上げてる時いきなり監督者の怒声が飛んできた
「そのテントは天皇のトイレ用だからもっと丁寧にあつかえ！」
テキサスは天皇来るの知らなくてビビッたし即効そのテントがただのテントではなくなり、おテントになったぜ。まったくおテントだぜ。そのへんの感覚はみなも同じらしく、あ、このおテントが天皇のトイレ用おテントであるなら丁寧に丁寧にと丁寧さ500パーセント増しにおテントを立ち上げていった

おテント様を上げたあとも作業中に何度か天皇用である何々の準備にぶちあたった
ステージに椅子をセッチする時、ヒトキワ仕様が綺麗な椅子があって
「その椅子は当日天皇が座るから丁寧にあつかえ」
と言われ、ちょっとでもガタンとやろうものなら
「あー！おいっなにやってんだ！」
とか言われ、御座に畏れ入り奉ったがさすがにこの段になるとテキサスも訝しがってなんで天皇が座る椅子だからって特別扱いするんだと怒りがこみあげてきたぜ
監督さんよ、なんで、あんたは天皇が座るってだけの椅子に恐縮すんだ？
他の椅子はブン投げたりすんのに。ここには俺らとあんたしかいないのに右翼を恐れてんのか？マスコミが怖いのか？だったら天皇なんて呼び捨てしないで陛下と呼べ天皇陛下と呼びやがれ
天皇の実体をおまえは知ってんのか？無知で蒙昧なおまえ、あんたみたいなもんがいるからチクショウいつまでも中国とかに日本は馬鹿にされるんだ！
と、テキサスは当時まったく思わなかったぜ

テキサスは訝しがりながらも他の連中と一緒に天皇っつー言葉の重みに耐えかねていた。というよりも今思えば人一倍そのあたりのこと意識してたくさいぜ

そのあとも、そこは天皇が当日通る道だからとか、そこは天皇の駐車場だからとかことあるごとにいろいろ言われながら天皇を向かい入れる準備は進められ、他んことも諸事全般、準備万端整え当日の開催に及ぶことになったんだ

開催当日、朝、曇り空。
テキサスたち会場設営の作業員は、メイン会場から少し離れた地点の作業員控えテントで待機していた
テキサスはユルやかな勾配でもってメイン会場をちょっくら見下ろすような具合のトコから会場を凝視してたぜ

続々と到着する一般来場者、ステージでなにかしら演じるなにかしらの芸能者、商売人、ボーイ・スカウトの子供ら、様々な人間が植樹祭会場に集結しだした

何時間か後に当邦第一の象徴も登場するだろう。胸が高鳴るぜ。
天皇のテの字も知らない全然カンケーないおれら設営のヒトを、その座る椅子だけで畏縮させちまう正体は一体なんだっつーんだ
心待ちにしているテキサスに更なる驚愕すべき情報が飛び込んだ
天皇とは別にスペシャル・ゲストがやってくるってさ
彼は浦安から推参するんだ
彼は世界第一のアミューズメントの象徴でファンタジーの巨魁だぜ

彼の名をミッキー・マウスという
曇り空が重々しく植樹祭を包み込むなか、テキサスvs天皇vsミッキー・マウス、始まりの瞬間は刻一コクと近づいているみたいだぜ。

　　　　　　　　　　　　　　（後編へ続く）